ここ数年、ラングドックは確かな技術と情熱を持った生産者を惹き付けて止みません。中でもモンペリエから車で約1時間、コトー・デュ・ラングドックの北の端にある小さなワイナリー『マス・デ・シメール』は、その草分け的存在です。
1993年、オクトンにある小さなワイナリー、『マス・デ・シメール』から変革は始まりました。オーナーのダルデ氏は、収穫したブドウの品質がどんなに良くても協同組合に卸すのが当たり前だった時代に、初めて「丹精込めて作ったブドウで妥協の無いワイン造りをしたい!」と考え、自ら設備を購入し、醸造を始めました。
当時無謀に見えたその試みは、創立直後の1994年から“Wine Spectator”をはじめとする評価誌に高く評価されてきたことでも、目に見える結果を生み出しています。
自らお手本となって妥協のないワイン造りを切り拓いていく『マス・デ・シメール』。清澄もフィルタリングもしないため、瓶の底には既に澱がたっぷりです。